プロは道具を選びます。道具を選ぶ大切さを道具の基本のドライバーで説明してみます。

工具のドライバーはどこの家にもあると思います。プラスドライバー・マイナスドライバーそれぞれ2~3種類位は持っているのではないでしょうか。
何かを壁に取り付けたり、カバーを外したりするのになくてはならないものです。中にはDIY(日曜大工)にハマって結構色々な道具をお持ちの方もいると思います。
目次
ドライバーの種類   ドライバーの使い方   ドライバーを選ぶなら   回せないねじをゆるめたいなら   新人を迎えた指導者へ   新人エンジニアへ   

ドライバーの種類
ドライバーには代表的なものでプラスドライバー・マイナスドライバー・六角ドライバー・トルクス(ヘックスロープ)ドライバーなど色々あります。

私が若いころのドライバーと言えばマイナスドライバーでした。しかし、今ではドライバーと言えばプラスドライバーを指すようになり、マイナスねじはほとんど使われていないようです。その代わりトルクスねじというものが増えてきて将来はドライバーと言えばトルクスドライバーというようになるかもしれません。
トルクスドライバーとはプラスドライバーの突起が4か所に対して6か所あり、ねじとドライバーの接触面がすべて曲面で接しているため力が一か所に集中しないので摩耗や割れが起きにくいと言われています。
しかし、今のところのねじの主流はまだまだプラスねじのようですので、ここではプラスドライバーについての話を進めていきます。

厳密にいえばプラスドライバーも先端の形状により種類があります。プラスねじと言えば一般的にはPhillipsねじが使われていますが、Frearsonもごく一部(航空機関係の構造組み立て部品あたり)だけに使われているようです。今では普通の人が出会うプラスねじはPhillipsねじと言っても良いのではないでしょうか。


今あなたがお持ちのプラスドライバーは何番のドライバーか分かりますか?

プラスのねじにはいろいろな大きさがあります。それを回すにもそれにあったドライバーを使わなくてはなりません。小さいねじには大きなドライバーは入りませんし、大きなねじには小さなドライバーでは力が入りませんのでなかなか回すのは難しいです。

一番使われるドライバーは2番です。
一般的によく利用するねじを回すのに必要なドライバー番号は、2番(#2)のドライバーですが、近頃の小さな電化製品などは1番のねじが多くなってきています。リチュウム電池などを交換するときには、もっと小さな精密ドライバーというものが必要になります。
大きい方では、重量のかかる物を止める時などにはねじの頭が大きいので、3番のドライバーを使う事もあります。

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ドライバーの使い方
ドライバーを始めて使う時、使い方を誰かに教えてもらう事はほとんどありません。しかし、正しい使い方をしないと、ねじを「なめる」という現象が起こりねじが使い物にならなくなってしまうのです。
これはほとんどの人が経験していると思いますが、ねじの頭がつぶれて締めることも緩めることもできなくなってしまう事です。ねじが悪いのではなく、ほとんどの場合締める人のドライバーの使い方が問題なんです。

注意すること
☆ ねじの頭にしっかり合ったドライバーを使う事。
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ドライバーには番号が付いて一般的には1番・2番・3番位が使われます。この中でも多くは2番が使われています。



☆ 回すときは力を入れてねじにドライバーを押し付けるようにして回す事。
特に、占める時の最後と緩める時の最初の段階では、しっかり両手で押し付けながら回す事

☆ ねじに対してドライバーは垂直に保たなければならない。


場所によってはドライバーの柄が当たりどうしても垂直に保てない場合があります。このような場合は無理をせずドライバーの長さの違うものに交換するなどしてください。




2番ドライバーは長さが100mmぐらいのものが多いのですが、150mmや極端に短い30mm等も販売されています。

しかし、一本一本のねじでこれを行う事はなかなか難しいことです。ちょっと気を抜くと、ドライバーが空回りしてねじの頭にキズが入ってしまいます。この状態を「ねじをなめた」と言います。

DIYで締めてるねじなら見栄えが悪くなったぐらいに思うかもしれませんが、このねじの締め付けは明らかに弱くなっていることでしょう。
例えばこれが車の修理だったとすると、走行中にねじが緩み大きな事故につながるかもしれません。

プロはどうしているのか?
それではプロはどうしているかというと、単純なことですがねじとドライバーが滑らないようにぴったり合ったドライバーを使うようにします。
それに、専門メーカーの作った先端の加工に精密技術を使った工夫のしてある製品を選んでいるのです。

ドライバーは今では、百円シュップでも売っているのですが、このようなドライバーを使うとねじの頭がつぶれたり、キズが入り取り返しがつかなくなります。キチンとした材質とサイズの物を選ぶべきです。良いものを実際使ってみると全く使い心地が違います。力を入れて押し付けなくてもドライバーがねじに食いついていく感じであまり気にしなくてもしっかりねじ込むことができます。それに良いドライバーはマグネットが入っていなくても、ドライバーの先端にねじをセットした時吸い付くような感じで、下を向けても落ちません。ぜひ経験して見て下さい。そんなに買い替える物ではありませんし、工具の基本となるものですのでぜひ良いものを揃えて下さい。
マイナスドライバーにも同じように種類がありますし、電動ドライバーは先端部分(ビット)を差し替えて使うようになっていますがこれにも色々種類があり材質も色々なようです。


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ドライバーを選ぶなら
プロが使うドライバーと言えば、PB(スイス製)かWera(ヴェラ・ドイツ製)が有名です。これらのドライバーはさすがにプロの間では評判がよく、この辺りを揃えておけば後悔はしないでしょう。
新人の方でおすすめドライバーを知りたい方は「新人エンジニアにおすすめドライバー」も参考にしてください。


特に私が気に入っているのが、Wera(ヴェラ・ドイツ製)のダイヤモンドドライバーです。このドライバーは先端にダイヤモンドの粒子がコーディングされているのでねじ頭部の内側に確実にフィットして滑らないでねじをなめることを防ぎます。



下記で検索するときにはドライバーの番号を商品個々に必ず確認してください。価格の安いものは番号が1番(#1)の可能性があります。一般的に一番使うのは2番(#2)です。
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Weraのドライバーには他にレーザーチップドライバーと言う物があります。これは、ドライバーの先端にレーザーで細かなギザギザを入れてねじの頭に食い組むようになっています。この商品はダイヤモンドドライバーと比べると、先端の強度は少し劣るかもしれませんが食いつきは勝るとも劣らないと評判です。



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もう一つPB(スイス製)のスイスグリップドライバーはグリップの形状が非常に人気があり握りやすいことで評判です。握りやすいだけではなく精度を追求してねじの頭にぴったり合うようにしていることはドライバー工具の専門メーカーとして当然のことです。



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工具の購入をお考えなら通販サイト「プロが選ぶ工具」も参考にしてください。

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回せないねじをゆるめたいなら

なめてしまったねじなどドライバーではゆるめられないねじを、どうしてもゆるめなければならない時こんな方法もあります。

プラスねじなら幅の広い輪ゴムをねじの頭に置き、その上からドライバーで強く抑えながら回す。
軽度のなめねじだったら案外回ることが多いようですが、これでも回らなかったら、「ネジザウルス」と言うペンチのような特殊工具で回す事ができます。

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ネジザウルスについて詳しくは「なめたネジを回す工具選び」に詳しく説明してあります。

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新人を迎えた技術指導者へ
新しく技術者を指導教育することはベテラン技術者にとって重要なことです。私たちの時代には「技術は教えるものではない、盗むものだ」などと訳の分からないことを言っていた先輩もいましたが、ほんとうに優秀な人は適切な助言を的確に与えてくれたものです。優秀な技術者を育てることもベテランの大きな仕事であることを自覚していただきたいものです。
そこで私の提案なんですが、新人技術者にWeraのダイヤモンドプラスドライバー2番を一本プレゼントしてください。当然ねじの締めかたの基本とともにです。「ねじ一本締めるにもプロになれ」と言う言葉を添えて。

新人エンジニアの皆様へ
新米には宝の持ち腐れなんて言う人がいますが、工具に関してはこの言葉はあてはまりません。腕に自信がないのであれば工具は選ぶべきです。プロになった以上結果に責任を負うべきです。そのためにも将来の投資のつもりで良い工具を揃えたいものです。

本来は自分に合ったものを選ぶのが良いのですが、初めて揃えるのであれば多くの技術者に認められているものを選び、本物の道具とはどんなものなのかを知ってほしいと思います。
そこで、私が選ぶならこのドライバーと言う事でおすすめのドライバー紹介しているページがありますので参考にしてください。
興味ある方は「新人エンジニアにおすすめのドライバー」をご覧ください。

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ドライバーセットを選ぶ方法も

最初はプラスドライバーの2番あたりから揃えるのも良いと思いますが、この先次々と揃えなければならないなら、思い切ってセットで揃えるのもいいかもしれません。

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            エンジニアなら知っておきたい工具選びへ
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